研究内容

研究分野:臨床心理学,認知行動療法,健康心理学

研究テーマとプロジェクト

抑うつや不安のメカニズムに関する検討

  • 反すうと抑うつとの関連(調査研究,実験心理学的研究)
  • 認知的回避方略が周産期の不安に与える影響

ストレスや健康問題に対する心理学的知見の応用可能性の検討

  • 新任教師におけるリアリティ・ショックのメカニズム解明
  • 労働者における同僚に対するメンタルヘルス・ファーストエイド

疾患予防やメンタルヘルスの向上を目的とした心理学的介入の開発や効果検証

  • うつ病休職者への集団認知行動療法の効果
  • リワーク施設におけるICTを活用した集団認知行動療法
  • VR映像を視聴することによるマインドフルネス瞑想の促進効果
  • 初妊婦の配偶者 のための妊婦支援プログラムの作成
  • 月経随伴症状へのアクセプタンス・コミットメントセラピー

研究紹介

(1)新任教師におけるリアリティ・ショックのメカニズム解明と予防プログラムの効果検証

*本研究は,科学研究費助成事業 基盤研究(C) の助成を受けて実施しました。
*共同研究者(中央大学 中村菜々子先生,東京家政女子大学 三浦正江先生,関西大学 古谷嘉一郎先生)

リアリティ・ショックとは,就職前に想像していた職務イメージと,実際に就職した後の現実との矛盾によって起こる現象です。リアリティ・ショックに関する理解を深めることは,早期離職を抑制すると同時に,若手人材の育成に効果的な施策を講じることが可能であるといわれています。

そこで,私どもの研究では,以下のようなことを目的とした研究調査を実施しています。

  1. 就職直後から初任1年目におけるリアリティ・ショックの実態把握
  2. リアリティ・ショックとメンタルヘルスとの関連について継時的変化の検討
  3. リアリティ・ショックの緩和要因についての検討
  4. リアリティ・ショックへの対応に特化した研修プログラムの策定

研究成果の一部は以下の論文で確認していただけます。

  新任教師のリアリティ・ショック要因尺度の作成

(2)うつ病の集団認知行動療法に関する効果研究

 大宮すずのきクリニックと協働して,うつ病休職者の方を対象にした集団認知行動療法をおこなっています。

 くわしくはこちらをご覧ください。

(3)周産期における抑うつ・不安と感情制御との関連

 産後1年以内の母親470名を対象に,産後うつ,反すう,行動活性化などの尺度を用いて質問紙調査をおこないました。

 その結果が,Frontiers in Psychiatry(IF 3.2)に掲載されました。

  反すうは,産後うつに直接的に影響するだけでなく,正の強化子(例:快感情や達成感)との接触を減らすことによっても産後うつを高める可能性があることが確認されました。

Associations of rumination, behavioral activation, and perceived reward with mothers’ postpartum depression during the COVID-19 pandemic

: a cross-sectional study

  https://doi.org/10.3389/fpsyt.2024.1295988